古代温度計

Science Newsより。
新しい温度測定の技術をもちいてオルドビス末期の大量絶滅の原因が急激な氷河期と温暖化であったらしい事が示された。これまでの温度測定が生物化石中の酸素の同位体比を用いているのに対して、今回の解析に用いられた方法は酸素とそれに結合した炭素の同位体比をもとに算出するらしい。これまでの酸素のみを用いた方法ではその当時の海水の酸素同位体比が必要だったが、この方法では必要ないという。
どういう方法なのかわからないが、予想するに、独立に行った炭素循環からの温度推定と酸素循環からの温度推定をすりあわせる事でより正確な値を出すという事なのではないかと思う。これまで海水の酸素同位体比を推定するのが難しかった古い時代の温度も推定できるようになったという。
紹介記事には氷河期が数百年しか続かなかったと書いてあったが、4億4千万年前を数百年単位で刻めるのであれば、もっと新しい時代、更新世などの氷河期についても詳しく解析してほしい。でも正確さからいったらアイスコアからの方が正確なのかもしれない。そもそも酸素同位体比からの推定ができない古い時代をどうやって推定するかというのが狙いだったのかな。
地域ごとの推定ができたらもっとよいと思うけど、さすがにそれは無理か。知れる事が多くなればなるほど、もっと知りたくなるのが人間です。
太古の時代に何が起きたかなんて基本的には証明のし得ない事。もっといってしまえばたとえ何かがわかったとしてもほとんど実用的な価値はない。そこに挑んでいく人間の好奇心。これも人間という生物の一つの大きな特徴なんだろう。