チベット人の高所適応の遺伝的な基盤

サイエンスの記事 Genetic Evidence for High-Altitude Adaptation in Tibet
チベット人は高い山地に暮らしているので低酸素状態に適応している。チベット人に近い日本人や中国人は高所に行くとがんばって酸素を運ぼうとしてヘモグロビン濃度が上がるのだが、これは逆効果。チベット人は逆に濃度が下がり、呼吸量が上がり、血流量があがるという現象がみられる。このヘモグロビン濃度の低下に関わる遺伝子を候補遺伝子アプローチおよびSNPタイピングによって特定した。

GOからHIFと呼ばれる経路に関わる240個の候補遺伝子を検索。チベット人に特有のはプロタイプを持つ遺伝子をピックアップ。形質との相関。Fstなど。周辺200kbにおける中立SNPをもちいてpositive selectionの検出

結局、2つ確実なのが見つかった。EGLN1 と PPARA という遺伝子。両方ともHIFに関わる。EGLN1はHIFを制御する。
HIFはErythropoietinの発現を制御し、Erythropoietinは赤血球の産生を制御する。